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日記

平成28年2月05日の日本昔話

塞の神と厄病神:

塞の神が与太郎の家族を火事から救う
昔、ある村の入口に塞の神(さいのかみ)が立っていて、その横には与太郎(よたろう)という男の家があった。
与太郎は働きもせず、女房と子供をほったらかし、毎日サイコロ遊び(博打)に明け暮れていた。
さて、その年の冬のこと。
諸国の神さまが、出雲の国の寄合いから帰って来ると、今度は入れ替わりに全国の厄病神(やくびょうがみ)が出雲に集まることになっている。
12月8日の朝、この村の厄病神も出雲に旅立つので、塞の神の所にあいさつにやって来た。
厄病神は来年の2月8日に帰って来ると言い、出発するにあたり、帳面を一冊預かってもらいたいと塞の神に頼んだ。
この帳面には、怪我や火事など、来年この村で起こる一切の災難が書いてあるのだ。
塞の神がこれを読んでみると、なんと1月14日、与太郎方火事と書いてあるではないか。
塞の神は、この火事をなんとかしてもらえないかと厄病神に掛け合うも、もう種を仕込んだのでどうにもならないと厄病神は言う。
塞の神は、何とかしてこのことを与太郎に知らせようとするが、神様の声は人間には届かない。
塞の神が歯がゆい思いをしているうちに、正月が過ぎ、とうとう1月14日の早朝を迎えてしまった。
塞の神は、ここで一計を案じ、寝ている与太郎に夢で火事を知らることにした。
ところが与太郎、火事の夢を見て飛び起きたのはいいが、火事の夢とは縁起がいい言い、またサイコロ遊びに行ってしまう。
そしてとうとう夜が来て、与太郎の女房と子供が寝ていると、家の台所から火の手が上がった。
塞の神は慌てて、今度は与太郎の女房に子供が井戸に落ちる夢を見させて、女房を起こした。
こうして、与太郎の家は焼け落ちてしまったものの、塞の神のおかげで、女房と子供は命びろいした。
このことがあってから、与太郎はピタリとサイコロ遊びをやめたそうだ。
2月8日、村ではこの日2つのまじないをする。1つは、豊作を祈って餅をわらで作った馬につけ、塞の神にお供えすること。
そしてもう1つは、出雲から帰って来る厄病神を家に入れないように、ネギやからしを火にくべて、軒先で煙を立てることだ。
煙を焚かれ、咳き込みながら村に帰って来た厄病神、塞の神の所に預けた帳面を受け取りにやって来た。
すると塞の神は、懐から白紙の帳面を取り出して厄病神に渡した。「はて?何も書いてないとはおかしい。」
といぶかる厄病神だったが、塞の神は知らんぷり。
実は、災難が書いてあった帳面は、与太郎の家が火事の時に、塞の神が火にくべて燃やしてしまったのだ。
こう言う訳で、その年は村には1つの災難も起こらなかったそうな。
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