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日記

平成28年3月08日の日本昔話

江差のとっくり岩:

昔、江差の浜に、おりん婆(折居婆)という婆様がいた。おりん婆は生まれ育った江差の浜をこよなく愛していたが、歳をとるにつれておかしなことを言うようになった。
空を流れる雲を見て、雲の流れが変だ、色が変だ、形が変だから、長雨が続いたり魚が捕れなくなったりして悪いことが起きるかもしれないと毎度のように言うものだから、村人は「おりん婆は歳をとって頭がおかしくなったのに違いない」と皆してのけ者にするようになった。
それからしばらくして江差では1ヶ月、雨が続いた。それから雨がやむことはなく2ヶ月も雨が続いた。
作物は雨のせいで全て枯れてしまい、魚も沖に行ってしまって漁が出来なくなり、村人は食料も薪も何も貯めることができないまま、冬になってしまった。
おりん婆は一心に鴎島(かもめじま)に向かって「おらはどうなっても良いから助けてください」と祈り続け倒れてしまった。
おりん婆がふと目を覚ますと、鴎島から光が出ていた。その光に導かれるようにおりん婆が鴎島に向かうと、島では一人の老人が焚き火をしていた。老人はおりん婆を見て、「村からのけ者にされているのに、村を救いたいのか?」と尋ねた。
おりん婆は「おらはどうなってもいいから村を助けたい」と言い切った。
その心根にうたれた神様は、徳利(とっくり)を授けて姿を消した。おりん婆は言われたとおり、江差の浜で徳利の中身を海に流し込むと、大量の鰊(にしん)が浜に現れた。こうして、村人は救われたのだった。
しばらくして、鴎島の前に徳利を逆さまにしたような岩ができた。それと時を同じくしておりん婆も姿を消してしまった。
村人はあれは、おりん婆の化身だと言い合い、長い間のけ者にしてきたことを悔いて、そのとっくり岩を大切に扱うようになった。
今でも江差の浜には大漁の鰊が浜にやってくるということだ。
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