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日記

平成28年7月03日の日本昔話

出口がない

昔、あるところに吾作とお里という働き者の夫婦が暮らしていた。
貧しい生活ながらも、吾作はお里と暮らしていければ幸せだった。
ある春の日のこと、旅芸人の一座が一夜の宿を求めてきた。
夫婦が泊めてあげると、一座の女がお礼に踊りを見せてくれた。吾作は女の妖艶さに次第に魅入られていった。
この時をさかいに吾作は働かなくなり、お里のことは無関心になった。
毎晩遅くなって、お酒と白粉の匂いをぷんぷんさせながら帰宅するようになった。
翌年の春。吾作は田植えの仕事をせず、家でぼんやりと過ごしていた。吾作の目の前に、あの美しい一座の女が姿を現したが、それは田植え仕事で汚れて泥まみれのお里だった。
吾作は、そんなお里に愛想が尽き「醜いお前と働きたくない。
暇を出すから出ていけ」と、冷たい言葉を浴びせた。
お里は傷つき悲しみに暮れながらも、身体を清め化粧を施し、綺麗な着物に着替えた。
やがて身支度を整えたお里を見た吾作は、お里の美しさに呆然となった。
お里が吾作にお別れの挨拶をし、家を出ようとした時「その戸口から出るな」と、吾作はぽつりと言った。
お里は一旦、家の中に入り縁側から出ようとしたが「ここは、おらの縁側だから出るな」と、吾作はお里を引き留めた。
お里が「それでは出ていく戸口がないから、この家から出るなと言うことですか」と訊ねると、吾作は「そうだ」と答え、自分の愚かさを詫びた。
お里の美しさを感じた吾作は、また元の働き者となった。そのまた翌年にはお里は息子を産み、家族三人幸せに暮らした。
吾作は、息子に乳を与えるお里にこう言った。
「おらは美しい花が好きだ。
花は咲いた後に実をつけるから」と、てれくさそうに言いながら、吾作は仕事に励んだそうだ。
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