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日記

平成28年7月17日の日本昔話

タニシ

昔、ある所に五人の兄弟が住んでいた。
この五人には両親もおらず、叔父さんや伯母さんもいなかった。
そんな訳で、いつも五人は力を合わせ、仲良く暮らしていた。
そんなある春の日の事。五人は朝から田植えをしていて、夕方近くになった。
そこで一番末の弟は、食事の支度をするために一足先に家に帰ることにした。
するとその帰り道、道端で二羽のカラスが喧嘩をしていた。
どうもカラスは、岩の上にある二つのタニシを奪い合っているようだった。
末の弟はそっと二つのタニシを拾うと、家に持ち帰り、台所の流しの隅に置いた。そこはいつも水に濡れていて、タニシには住みやすそうに思えたからだ。
さて、弟は次の日も夕飯の支度のために早く帰った。
するとどうだろう。なんと居間にはお膳が並べられ、すでに夕ご飯の用意が出来ていたのだ。
そんな事が何日も続き、いったい誰が夕飯を作っているのか不思議に思った弟は、このことを兄たちに話した。
それで五人はいつもよりずっと早く家に帰ると、庭の木の上に登って、家の中の様子をうかがうことにした。
すると夕暮れ時になり、台所の方から女の人の話し声が聞こえてきた。
話し声はやがて歌声に変わり、台所では夕飯の支度が始まった。そこで五人が家に入ると、食事の支度をしていたのは、二人のきれいな姉妹だった。
五人が訳を尋ねると、姉妹はこう話した。二人は元々、この世界とは違う遠い世界に住んでいた。
しかしあまりに我儘だったため、両親にタニシの殻に入れられて道端に捨てられたのだと。
そして、ちょうど通りかかった弟に拾われ、この家にやって来た。恩返しに何か出来ないかと思い、こうして夕飯の支度をしているのだと言う。
この話を聞いた五人の兄弟は、姉妹が不憫でならず、思わず泣き出してしまった
。そして、二人がこのままここに居る事が出来ればと思うのだった。
すると兄弟の思いが天に通じたのか、タニシの殻は消え、二人は人間の姿に戻ることが出来た。
こうして、兄弟五人に姉二人を加え、七人はいつまでも仲良く暮らしたということだ。
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