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日記

平成28年7月28日の日本昔話

雪月夜のお産

昔、宮城のある村に龍沢(りゅうたく)先生という医者が住んでいた。60才を過ぎても一日中、患者のためにあちこち元気に飛び回っていた。
ある雪の降る真夜中のこと一人の若者が訪ねてきた。
先に起きた奥さんがどこの家なのか聞いたが山を指さすだけで何も言わない。しかし龍沢先生は蓑に雪靴を履いて準備を整え、若者の馬に乗って出発した。
真夜中だったので龍沢先生は馬の上で眠ってしまった。着いた場所は大きな屋敷だった。
屋敷に入ると奥さんらしい人が先生を一番奥の部屋に案内した。
部屋には美しい娘が寝ていて、傍には父親と妹らしい2人の娘が心配そうにしていた。
先生は娘の脈をとると、お産の準備に取りかかった。娘のお産はとても難産で三時(六時間)かかったが無事に双子の男の子が産まれた。
家族は大喜びで先生をご馳走とお酒でもてなし、普段の十倍近い大金を強引に先生に受け取らせた。
龍沢先生は改めて家の場所と名前を聞いたが、奥さんは何も言わずに深く頭を下げるだけだった。
若者の馬に乗って帰路についたが疲れとほろ酔いで再び馬の上で眠ってしまった。
目を覚ますと家の前だった。家に入ると奥さんが出迎えた。
まだ半時(一時間)しか経っていないという奥さんの言葉に驚いた先生が外に出ると、出掛けた時と月の位置が変わらず、また雪の上に「狐の足跡」が付いていた。
龍沢先生の腕と人柄を見込んで狐がお産を頼みに来たのだった。
その後も龍沢先生は元気に治療を続けたという。
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