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日記

平成28年8月07日の日本昔話

ぶよの一時三年

昔々、仙台は宮城野の山奥に太一(たいち)と与茂吉(よもきち)という二人の木こりが住んでいた。
ある夏の日、いつものように与茂吉は太一と一緒に仕事をしていた。ところがこの日、与茂吉は竹筒に水を入れてくるのを忘れたので、下の沢に水を汲みに降りて行く。
沢の水を手ですくって飲んでいると、与茂吉の顔のまわりにぶよが飛んできた。
与茂吉がぶよを手で払おうとすると、なにやら川上から流れてくる物がある。与茂吉が手に取ってみると、それは漆(うるし)に金銀で模様をほどこした、なんとも立派な杯だった。
与茂吉は、杯がどこから流れて来たのか不思議に思い、川の上流に向かって歩いて行く。
しばらく歩くと、そこには与茂吉が見たこともないような立派な御殿が建っていた。
杯はここから流れて来たにちがいないと与茂吉は思った。
すると、屋敷の中から「はい、そうです。よく届けて下さいました。」と娘の声がして、与茂吉は美しい娘に屋敷の中に招かれた。
娘は与茂吉に言う。「与茂吉さま、私のお婿さんになって下さいまし。そして、ここで末永く幸せに暮らしましょう。」
気が付くと、与茂吉は娘に抱えられて屋敷の中を飛んでいた。屋敷の中には、春の間、夏の間、秋の間、冬の間があり、四季折々の自然の美しさが味わえるのだった。
与茂吉は夢のような生活をこの屋敷で送った。そうして、瞬く間に3年の月日がたった。
ある日、与茂吉が娘の膝枕で寝ていると、娘は涙を流していた。与茂吉がその訳を聞くと娘は言う。「与茂吉さん、お別れです。」
与茂吉は慌てて娘に理由を問いただす。
すると娘は、「生きている者にはそれぞれ寿命があります。楽しい3年間でした。」と言い残して消えてしまった。
与茂吉が呆然としていると、「与茂吉、与茂吉、そんな所で座り込んで何しとるだ?」と太一の呼ぶ声がする。与茂吉は水を汲みに行った沢のふちに座っていたのだ。
「オラの嫁さまが、オラの嫁さまが消えてしもうた。」
「おい、何寝ぼけたこと言っとるんじゃ?しっかりせい!!」と言って太一は与茂吉の肩をゆする。そこで与茂吉は、太一に今までの一部始終を話して聞かせた。
ところが、太一が言うには3年どころか、与茂吉が沢に水を汲みに行ってからまだ一時(いっとき)しか経っていないというのだ。
太一が与茂吉を仕事場に連れて帰ろうとした時、一匹のぶよが蜘蛛の巣にかかっているのが目に留まった。与茂吉がそのぶよを見ると、なんと、ぶよは与茂吉が一緒に暮らしたあの娘の姿に見えたのだった。
「オラの嫁さまはぶよじゃった!!」
ぶよに魅せられて、一時の間にぶよの3年を生きたという、なんとも不思議な話だった。
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