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日記

平成28年8月12日の日本昔話

ねがいの戒名

昔、宮城県岩沼の千貫南長谷(せんがんみなみはせ)という所に鷹硯寺(ようげんじ)という古い寺があり、この寺の和尚はたいそうよくできた人物で村中の誰からも慕われていた。
ある初秋の夕方、和尚が庫裏で涼んでいると庄屋の娘のお菊がやってきた。
重い病で寝付いていたはずのお菊は信心のおかげで病が治ったと和尚に礼を言い、
まだ丈夫なうちにありがたい戒名を授かりたいと願い出た。
戒名とは仏教の戒律を守る事を誓った者に与えられる名前で、当時は今と違い生前に授けられる物であった。
和尚はお菊の願いを快く引き受け、墨で「淑和菊涼信女」と書いた紙をお菊に渡した。
和尚から戒名を貰ったお菊は何度も礼を述べると、まるで庭の秋草に溶け込むかのように消え去っていった。
和尚は何故お菊がこんな時間に戒名を貰いにきたのか不思議に思っていると、寺から山鳩が飛び立つのが見えた。その時和尚は、
お菊が小さい頃山鳩の雛を死なせ寺の庭に埋めた際に、自分が死んだ時は和尚の戒名で弔って欲しいと言っていた事を思い出した。
そしてその夜、庄屋の下男が寺に来てつい先程お菊が死んだ事を和尚に伝えた。
和尚はたいそう驚き庄屋の家に駆けつけてみると、
奥座敷に白い顔で微かに笑みを浮かべたお菊が横たわっていた。
庄屋夫婦が言うにはお菊はずっとここで寝ていたらしく、和尚が夕方の出来事を話すとそれは丁度お菊が息を引き取った頃と同じなのだという。
そこで何やら思いついた和尚がお菊の枕の下に手をやると、なんとお菊に渡したばかりの戒名を書いた紙が出てきた。
おそらく死の直前にお菊の霊が戒名を貰うため自分の所へ来たのだろうと和尚はお菊の信心深さに感銘を受け、同時にお菊の不幸を嘆いた。
こうしてその夜、和尚の手によりしめやかにお菊の通夜が営まれたという。
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