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日記

平成28年10月03日の日本昔話

絹の褌

昔、とてもご利益のある古峯神社(ふるみねじんじゃ)へお参りするのが流行っている村があった。
百姓たちは月に一文ずつ積み立てて、年に一度その金を持って、村の代表がお参りに行くことになっていた。
ある年の事、村でも貧乏な嘉助(かすけ)という大変な粗忽者(そこつもの)が、今年の代表となった。そこで、
嘉助は奮発して上等の絹で作った褌(ふんどし)を締めて出かけることにした。
古峯神社のある町はお城下十五万石の町で、
いろいろなお店が立ち並び多くの人が行き交っていてたいへん賑やかでした。
街道を歩いていた嘉助は、
自分が絹の褌をしている事を周りの人へ知らしめるため、着物の裾をまくりあげ「さぁ良っく見ろぉー」と大股を広げ飛び回った。
絹の褌を見せびらかしながら、ようやく古峯神社のお賽銭箱の前にやってきた嘉助は、村から預かったお金(百文)から十文だけをお賽銭箱に入れるつもりで、
うっかり九十文も投げ込んでしまった。
手持ちの小遣いが無くなり、仕方なく弁当を食べようと風呂敷を広げると、包んでいた風呂敷は実はカカァの腰巻で中には自分の枕が入っていた。
腹を立てた嘉助は一気に村まで走って戻り、寝ているカカァに殴りかかった。
すると、それは隣の家のカカァだった。
あらためて自分の家にかけ込んで、準備が悪かったカカァを責め立てたが、嘉助自身も絹の褌をしめ忘れていたことに気が付いた。
嘉助は、フルチンを見せびらかした町での失態を思い返し、もう恥ずかしくて恥ずかしくて仕方がなかった。
その後も、嘉助の粗忽は治らなかったが、ふんどしを忘れる事だけはなかった。
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