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日記

平成28年10月22日の日本昔話

夜中のおとむらい

昔、山形の鶴岡に大場宇平という侍がいた。
ある日仕事を終えての深夜の帰り道、弔いの行列とすれ違った。
不審に思った宇平がだれの弔いか尋ねると、「お馬回り二百石、大場宇平様の弔いです。」
と言う。自分の弔いと聞いて驚いた宇平が慌てて家に駆け戻ると、家人は一人もおらず、家の前には送り火を焚いた跡が残っていた。
途方に暮れた宇平が城の堀端までさまよい歩いてくると、宇平の友人横山太左衛門が声をかけてきた。
宇平は太左衛門にそれまでのことを話し、二人で宇平の家までやってくると、何事も無かったかのように家族が出迎え、ずうっと宇平の帰りを待っていたと言うではないか。
呆然とする宇平だったが、とりあえずその場はちょっとした勘違いということで納め、太左衛門は帰宅した。
宇平の話を全て疑うこともできず、妙に心の角に引っかかっていた太左衛門の元に、数日後の朝二人の侍がやってきた。
なんと宇平は昨夜遅くに屋敷に押し入った賊に切り殺されたのだと言う。
弔いの行列に加わって墓場に行く途中、太左衛門は大場宇平の話した不思議な体験のことを考えていた。
と、その時「もし、これはどなたのお弔いかな?」と言う宇平の声がする。
はっとして太左衛門が振り返ったが、そこにはもう誰の姿も見えなかった。
宇平が見たと言っていたのは、この行列のことだったのか…と、太左衛門は初めて気付いたのだった。
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