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日記

平成28年11月17日の日本昔話

猿っこ昔

昔、とある村にしんべえとおたねと言う新婚の夫婦が住んでいた。
ある日、夫婦で初泊まりに出かけた途中、「さるまけ」と呼ばれる山猿の一族に襲われ、おたねは猿達にさらわれてしまった。
しんべえは夜更けになって、たまたま通りすがった按摩師に助けを求め、やっとの事で助かった。
按摩師の話によると「この辺は山賊が多く、村々を襲っては金品を奪い娘をさらう。それを見た猿達が善悪の区別もつかぬまま山賊の真似をするようになったのだ」と言う話だった。
しんべえは翌朝、鉄砲を抱え猟犬を連れておたねを助けに山へ分け入った。
すると山中の崖のてっぺんに見慣れぬ家があり、家の中にはおたねが居た。
そこは「さるまけ」の根城だったのだ。
おたねがとしんべえと猟犬を家の中に隠しすと、間もなく猿達が親方猿を担いで帰って来て「親方様が病気になられた!ぼやぼやせずに湯でも沸かせ!」と怒鳴りつけた。
猿の知恵は知れたもの。「田の端の苔坊に頼もう」と、大きな蛙に親方の病気を診てくれるよう頼んだ。
苔坊は親方の様子を見ると「天にどうどう 地にがあがあ 地転び 地まふり ちゅうぶらりん 我が身までも大事候う 湯でも茶でもごしめせごしめせ」と訳の判らぬ事を言って帰ってしまった。
次に呼ばれた「上の山の満腹神」と言う古狸も同じような事を言って帰って行った。
猿達は無い知恵を絞って考えた挙句、「湯でも茶でも」とは風呂の事ではないかと思い立ち、おたねに「風呂を沸かせ!」と命令した。
おたねは風呂を沸かす振りをして、風呂桶に隠れていた猟犬を猿達にけしかけた。
さらに天井に隠れていたしんべえが鉄砲をぶっ放したので、胆をつぶして猿たちはみんな死に絶えてしまった。
最後に小猿が1匹だけ、囲炉裏の自在鉤に掴まって居るのを見つけたが「もう悪さはしないので命ばかりは許して下さい」と泣いて頼むので許してやった。
こうして、しんべえはおたねを助け出して家に戻る事が出来た。
以来、しんべえの村の周辺では人真似をする事を「猿真似」、囲炉裏の自在鉤の事を「猿っこ」と呼ぶようになったそうな。
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