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日記

平成28年12月03日の日本昔話

ひねくれ婆と明神様

人は、いつまでも不幸を嘆かず、それを励みにして元気に暮らすべし
昔、石城(いわき)の見沼の里のある、合戸(ごうど)という所に、一人のひねくれ者の婆がいました。いつもこの婆は、明神さまへのお供え物を盗んで家に持って帰っていました。
それを見かねた隣の爺さんが優しく注意しましたが、婆は全く聞く耳を持ちませんでした。この婆は元々ひねくれていたわけでは無く、亭主の爺さんが死んでから「神も仏もありはしない」と、すねていたのでした。
ある時、村のご隠居さんが亡くなり、婆と隣の爺さんが葬式に行こうと一緒に歩いていました。
すると婆は、葬式の日には通らない事になっている「明神さまの小道」をスタスタ通り始めました。
隣の爺さんが引き止めるのも気にせず、明神さまの祠(ほこら)の前まで歩いて来ると、煙とともに巨大な明神さまが姿を現しました。
明神さまは「お供え物を盗んで喰った婆の舌をもらう」と言って、その姿は消えました。
その時から、婆さんは口をきくことも食べ物の味を味わう事も出来なくなりました。心配した隣の爺さんがいろいろ励ますも、さすがに婆もバチがあたったとすっかりしょげていました。
ある夜の事。寝ている婆の枕元に明神さまが立ち「不幸を嘆かず、すねることなく励みにして過ごせ」と励ましました。そして、婆の口も元通りに戻してあげました。
それからの婆は、爺さんとの思い出を励みにして、末永く元気に幸せに暮らしました。
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