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日記

平成28年12月10日の日本昔話

ねずみの伊勢参り

昔々、ある山の中に小さなねずみの村があった。
ある時のこと、山の上から大きな石が転がり落ちてきて畑を潰してしまった。それ以来、作物の出来が悪くなり、村はどんどん貧しくなり働く気力も失せていった。
これではいけないと思った村長のチュウサクは、毎日毎日、村外れの神様の所に行って願掛けをするのだった。
そんなある日のこと。社から神様が姿を現し、チュウサクにこう伝えた。「村の者をみんな連れてお伊勢参りをするとよい。どんぶら入ってうっきっき、尻尾にかぶつきちゅーちゅーちゅー。この唱え言葉を忘れないように」
この事をチュウサクから聞いた村の者たちは、早速お伊勢参りへ出かけた。出発して幾日か経ったある日のこと。
これまで見たことのない大きな川に出くわした。チュウサクたちは川を渡ろうとしたが、川の流は速く、途中で流れに呑まれ溺れかけた。
その時、チュウサクは神様から教わった唱え言葉を思い出した。そして、唱え言葉の通りお互いの尻尾をくわえて泳げば、一見渡れそうにない思われた川も、難なく泳ぎ渡ることが出来た。
こうして全員無事にお伊勢様にたどり着くと、チュウサクたちは、あの大きな石をどかしてほしいとお祈りした。
すると、お伊勢さんの神様が姿を現し、「今すぐ田舎へ帰れ、あの唱え言葉を忘れるな」と言って、チュウサクたちを追い返してしまった。
チュウサクたちは、がっかりして帰路に就いた。そして来る時に渡った川まで戻れば、川は雨で水嵩が増している。さらに、草むらから猫とアオダイショウが姿を現し、チュウサクたちに襲いかかろうとしていたのだ。
進退窮まったチュウサクたちは、一か八かで川に飛び込んだ。そして互いの尻尾をくわえ、あの唱え言葉を唱えながら、必死で泳いだ。そして一匹も欠けることなく、川の反対側へ泳ぎ渡った。
この時、チュウサクたちは、皆で力を合わせて川を渡ることが出来たのだから、あの石もどかせるのではと考えた。
そこでチュウサクたちは村に戻り、皆で力を合わせて石を押した。すると皆の執念が通じ、石は谷底へ転がり落ちていった。
それ以来、ねずみたちは辛いことがあると、あの唱え言葉を唱えて精を出して働いた。そうこうしているうちに少しずつではあるが、暮らし向きが良くなったそうだ。
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