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日記

平成28年12月12日の日本昔話

ナマズの使い

大昔のこと、福島の磐梯山(ばんだいさん)の辺りには、火山がいくつもあって、そのため大変地震が多かった。そして、その磐梯山の頂には明神様が住んでおられた。
この明神様、山の頂から遠くの山や海を眺めて、のんびりと昼寝をするのが何よりも楽しみだった。
ところが度々地震が起きるものだから、昼寝をしていると、注連縄(しめなわ)を押さえている石が頭の上に落ちてくる。
明神様は、その度に頭にたんこぶを作って大層難儀していた。困った明神様は、磐梯山のふもとの岩穴に住むナマズどんの所へ行った。そして地震が起きる前に、自分に知らせに来てほしいと頼んだ。
さて、その次の日。地震を察知したナマズどんは、飛び跳ねながら山の上の明神様の所に知らせに行った。
「明神さま~、明神さま~~、地震が来ま~す!!」こうして、ナマズどんが知らせてくれたおかげで、明神様は頭にこぶを作らずに済んだ。
それからというもの、小さな地震が来るたびに、ナマズどんは明神様のところに走った。
ところが、あんまりしょっちゅうナマズどんが地震じゃ地震じゃといって走ってくるので、そのうち明神様は昼寝の邪魔をされてイライラしはじめた。
「お前と来たら、いつも大げさに地震じゃ地震じゃと知らせに来るが、うるさくて昼寝もろくにできん!!もっと大きい地震の時にだけ知らせれば良いんじゃ。」
明神様に叱られてしまったナマズどんは、すごすごと山をくだり、自分の家に帰った。
そんなある日のこと、ナマズどんはまた地震を感知した。明神様に知らせようとするも、前回明神様に叱られたことを思い出し、今回は思いとどまることにした。
ところが、今回ばかりはいつもと様子が違っていた。ナマズどんが寝ている地面は熱くなり、花を生けてある湧き水は枯れ、とうとう蒸気まで噴き出したのだ。
ナマズはたまらず明神様の所へ知らせに走った。「明神様大変だあ~!!えらいことが起きそうです!!」ところが、またナマズが昼寝の邪魔をしに来たと思った明神様は、「うるさい!!昼寝の邪魔ばっかりしおって。
もう二度と来るな!!」こう言って、ナマズのヒゲをつまみ上げ、猪苗代湖に放り投げてしまった。
ところがしばらくすると、明神様の寝ている地面がじわじわと熱くなり、やがて地面が大きく揺れてはじめた。そして、とうとう大音響と共に磐梯山が大噴火したのだ。明神様は激しく飛び散る溶岩の中、命からがらふもとに逃れた。
やがて磐梯山の噴火は収まり、このことに懲りた明神様は、ナマズにもう一度山の寝所に戻ってくれと頼んだが、ナマズどんは首を縦には振らなかった。
ナマズどんを追い出した明神様は、大好きな昼寝もゆっくりとできず、いつもこぶだらけ。一方、洞穴の寝所を追われたナマズどんは、広々とした猪苗代湖でのびのびと暮らしたそうな。
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