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日記

平成28年12月16日の日本昔話

猫の恩返し

むかしむかし、世間から忘れられたような貧しい山寺に、たいへん年を取った和尚さんが細々と暮らしていて、たいへん年を取ったトラ猫を我が子のように可愛がっておりました。
秋の終わりのある日、とうとう山寺には食べる物が何もなくなり、和尚さんは最後の食べ物をトラに与えた後、うつらうつらと居眠りをしていました。すると「和尚さん、和尚さん。」と呼ぶ声がします。
なんとそれはトラが和尚さんに話しかけているのでした。
トラは近々長者どんの一人娘が死ぬことを告げ、これまで世話になった恩返しに、山寺をもう一度繁盛させる方法を和尚さんに教えたのでした。そうしてトラは、話し終えるとどこへともなく去って行きました。
しばらくしてトラの言葉どおり長者どんの娘が死にました。長者どんはあらゆる寺から偉いお坊さんをたくさん招いて、それは立派な葬式を出しましたが、山寺の和尚さんだけは誰からも忘れられていて招かれませんでした。
その葬式の列が墓の近くまで来た時、突然娘のお棺が浮かび上がり、天の高い所まで登って降りて来なくなってしまいました。
偉いお坊さん達は慌ててお経を唱えお棺を降ろそうとしましたが、お棺は天にかかったままぴくりとも動きません。
困り果てた長者どんは山寺の和尚さんを呼び出しましたが、偉いお坊さん達は山寺の耄碌和尚にお棺が下ろせる訳がないとせせら笑っておりました。
ところが和尚 さんがトラに教わったとおり「南無、トラにゃ~にゃ、トラにゃ~にゃ!」と呪文を唱えると、お棺が天からゆっくりと降りてきたのでした。
こうして無事葬式を済ませることが出来た長者どんは、和尚さんに感謝して、山寺を新しく作り変え、食べ物を毎日届けさせ、身の回りの世話をする寺男まで手配 してくれたのでした。
こうして和尚さんと再び山寺に戻って来たトラとは、それからは縁側で一日中居眠りをしながら幸せに暮らしたということです。
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