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日記

平成28年12月18日の日本昔話

播磨のめっかい

この辺りでは、家の屋根に白羽の矢が立つと、その家の娘を鎮守様に捧げなければならないという掟があった。
この年は、村の長者の家に白羽の矢が立ち、七日以内に一人娘を人身御供に捧げることになった。
ちょうどその時、この村に昔から来ている富山の薬売りが、長者さんの家でこの話を聞いた。
薬売りは、それは神様のやる所業ではない、何者なのか自分が正体を突き止めると言い、一人で山の上の鎮守様へと向かった。
薬売りが鎮守様で待つと、やがて夜になり、何者かがやって来る気配がする。縁の下に隠れて様子をうかがうと、何と四匹の大きな化け物が社の中に入って行くではないか。
化け物たちは社の中で、「播磨の国のめっかいにこの事を知られたら、我らの命はないだろう。」と口ぐちに言う。
ここで薬売りは、播磨の国にめっかい犬と言う、たいそう強い犬がいるのを思い出した。
薬売りは事の次第を長者さんに話し、早速播磨の国に飛脚を走らせ、めっかい犬を連れてきた。そして、めっかい犬を娘の代わりにお棺の中に入れると、村の衆はそれを鎮守様の社へと運んだ。
薬売りは刀と大きな鍵を持って、社の縁の下で化け物が現れるのを待つ。そして夜になり、化け物たちが社の中に入ると、社の扉に鍵を掛けて化け物たちが逃げられないようにした。
そうとは知らない化け物たちは、生贄にされた娘を食らうべく、お棺を開ける。
中からはめっかい犬が飛出し、お棺を開けた化け物を一撃で倒した。残りの化け物はめっかい犬を見て社から逃げようとするが、扉には鍵がかかっており、外からは薬売りが扉の格子越しに刀を突き立てる。
こうして、さしものの化け物もめっかい犬に一匹残らず退治された。
めっかい犬が倒した化け物は、この辺りの山に何百年も住む大ヒヒだった。そしてこれ以降、村の家に白羽の矢が立つことは無くなり、村人たちは安心して暮らせるようになったということだ。
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